PRESS2012
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化学蒸着法(CVD)コーティングの対応についてTiC(炭化チタン)に代表される化学蒸着法(CVD)コーティングは、下記のような優れた特長を持っております。当社におきましてもその対応は可能となりますが、下記のようなコーティング処理での問題点も持ち合わせておりますで、その点をご考慮いただき、要求精度にお応えできるかを確認させていただいたうえで、ご注文とさせていただきます。 CrN(窒化クロム) DLC(Diamond Like Carbon) 複合多層膜 CMTi 化学蒸着法(CVD)コーティングの特長 問題点硬度が高く耐摩耗性に優れ、さらに耐焼付性、耐食性及び耐高温酸化性を併せ持つコーティングです。高温あるいは腐食環境下でも優れた特性を示すことより、主に樹脂成形型やアルミダイキャスト型に用いられます。プレス金型においても打抜きパンチや摺動部分で、良い効果を得ることが出来ます。炭素膜の一種ですが、ダイヤモンドのように硬いという意味よりつけられた名称です。高硬度で摩擦係数が非常に低く潤滑性もあることより、凝着しやすい非鉄金属などの打抜きに適しています。また、摩擦係数の低さと潤滑性により、荷重の比較的軽い摺動部品や、曲げ部品への使用にも適しています。母材に特殊イオン窒化処理を行い、蒸着面の物性を高めた後にチタン多層膜(TiC+TiCN+TiN)を連続して生成したコーティングです。通常の物理蒸着法(PVD)と異なり、下地のイオン窒化層がチタン層と母材の密着力を高め、その上にチタン膜を多層に形成することで高い膜硬度を得ることができます。プレス金型部品の広い範囲で使用が可能です。コーティング特性による注意事項ご使用いただくにあたり、以下の点にご注意下さい。1 コーティング範囲の仕上り寸法公差は、±0.005を上限としてご検討下さい。それ以上の精度が必要な場合は お問い合わせ下さい。2 切刃の摩耗による再研磨では、1回あたりの切込み量を多くしないで下さい。切込み量が多い場合、パンチにかかる   圧力が大きくなり、コーティング層が剥離することがあります。3 角部は、成膜がR状になることがあります。精密用途ではそれをご考慮いただき、ご使用下さい。(1)処理温度が高いことにより膜の密着力が良好である。(2)代表的なTiC(炭化チタン)コーティングでは、その膜硬度が3800HVと非常に高い。(3)複雑な表面形状においても、均一に成膜される。(4)比較的容易に、複合多層膜の生成が可能である。(1)処理温度が約700〜1200℃と高く、先に加工されている刃先形状などの寸法変化や、そり・曲がりなどが発生しや すい。また、高温によりエッジ部のだれも発生しやすい。(2)寸法変化や変形が発生した場合、コーティング前に加工された形状のため修正することが出来ない。(3)母材自体が変質することもあり、それを調質することでさらに変形が発生することがある。色調:シルバー色調:ブラック色調:ゴールド75

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